切り身のネタケース

ガンシカされたってありがとうと言うよ

色褪せぬ一夜

『車で来ているから家まで送ろうか?』

 

「うん。お願いしようかな。」

 

「〇〇ってアーティスト知ってる?ウィードと同い年のおじさん。笑」

 

『おじさんは余計だろ。笑 〇〇のことは知らないけど知り合いなの?』

 

「うん。」

 

 

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ジャケパンだとそろそろきつくなって来たなぁ。

Tシャツに滲む汗を感じながらいつもの街を歩いていた。

 

そしてその日は信じられないくらい街の反応が良く

連れ出しは無かったものの多くのバンゲをしていた。

 

 

暑いし早く冷たいものを飲みたいな。

 

 

 

 

 

 

その時

 

交差点の反対からでも分かるほどの存在感の美女が目に入った。

 

8頭身?

いや、

9頭身はあるか?

 

エキゾチックな顔立ちに胸元が大きく開いたワンピース。

海外セレブ雑誌の切り抜きを見ているようだった。

 

 

日本であんな格好アリかよ...

 

 

滲む汗のことなどすっかり忘れていた僕は

どうやって声を掛けようか考えていた

 

 

『こっこんにちは!』

Are you speak Japanese?

「日本語喋れます」

『よく間違われるでしょう?笑』

「まぁね」

 

 

そこから立て直してビタ止め。

連れ出し打診をするが予定グダを崩せずバンゲ。

 

 

それからは順調にアポを取り付けた。

 

 

当日、彼女からのLINEが入る。

 

「ごめんなさい少し遅れます。あと、仕事が入りそうだから会えても少しだけかも。」

『会った時に話を聞くよ。』

 

 

待ち合わせ時間を少し過ぎた時に彼女は現れた。

 

 

「ごめんなさい待たせてしまって。」

『さ、行こうか!』

「さっきの話だけど マネージャーから連絡があったら行かなくちゃいけないの

『お店で聞くよ。』

 

そう言いながらバーへ入る。

 

口下手な僕は相手の話をふんふん聞くルーティーンを発動させた。

 

彼女の話をふんふん聞く。

ただ、偉そうに背もたれに寄りかかりながら相槌を打つ。

 

 

その話を聞いて僕は驚いた。

彼女の経験や会ってきた人々。

次元が違いすぎる...

 

 

 

彼女と僕では住む世界が違いすぎた。

 

 

イムリミットまであと少しか

 

携帯を持つ彼女を見ながら考えていた。

 

今まで彼女が出会って来た男と僕とでは違いすぎるのは分かっている。

だが彼女は僕に会いに来ている。

彼女の意思で会いに来ている。

 

 

 

 

試しに初対面ルーティーンを投入。

 

 

「私だって結構変わるよ!ダメな人の前だと今とは違うもん。」

 

そう言いながら彼女はずっと携帯を触っている。

 

 

(つまらないのかなぁ

 

 

 

『そういえば、さっきの仕事って?』

「うん。今マネージャーから連絡があって無くなったの。だから今日は飲むよ!」

 

 

 

 

 

 

え!?

 

 

 

 

なんて

 

 

 

 

言った!?!?!?

(もしかして、これはクソテストの一つだったのか!?だとしたら

 

 

 

動揺を気付かれないように僕は『そうだな』と。

 

そこから色々な話をした。

 

運命ルーティーン・ほら考えてごらんルーティーンを投入し盛り上がる二人。

 

『場所を変えようか』とだけ言い二軒目へ。

 

彼女の手を取りながらいつもの立ち飲みバーへ入店。

 

ワインが来たところで二件目ルーティーンを投入。

 

 

 

 

 

 

彼女の反応は?

 

 

 

 

 

いいね。

満更でもなさそう。

 

 

 

 

 

一杯目を飲み干すタイミングで雰囲気がいいバーへ移動。

 

 

 

 

「いつもこうやって口説いてるの?」

手を握りながら悪戯な顔で質問をしてくる彼女。

 

『ハシゴするのが好きなんだよね。』

とだけ答える。

 

バーに入ってからは彼女との今を楽しんだ。

この時に僕はもう準即をしようなんて考えるのをやめていた。

 

 

 

(こんなに愉しい女っているんだな

 

 

 

「ねぇ、私が本当の事を言ったんだからウィードも本当の事を言ってよ。」

 

『本当の事を言ってるじゃん。笑』

 

「私の質問を躱しているくせに。笑」

 

『ははっ。分かった分かった。』

 

「いつもああやって声を掛けているんでしょ?買い物中だって言いながら買い物袋を持っていなかったし。」

 

『よく見ているねぇ。笑』

 

「そうやってまた躱す。笑」

 

『まぁまぁ。笑 あの時声を掛けてなかったらこうやって飲めなかったんだよ?』

 

「そうだけど

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、私がもしウィードの6人セフレの中に入ったら何番目になるの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お前は7番目だろうな』

 

「ありえなーい!笑 最低!笑」

「絶対に私が一番でしょ!」

「セフレはどんな人たちなの?モデル?経営者?」

 

『最初はみんな一番下からスタートだよ。笑』

『聞いたら自信を失くすと思うよ。笑』

 

見つめながら笑い合う二人

 

『飲みなおそうか』

とだけ言いコンビニでワインを買いホテルイン

 

ゆっくりとワインを開けた後にギラ

 

ノーグダで準即

 

彼女の歪む顔を見ているだけで果てそうになる。

 

そしておかわり3

 

 

 

 

 

 

 

『そろそろチェックアウトだね。』

 

「ウィードの性欲ヤバ過ぎ。死ぬかと思った。笑」

 

『そう?今までの男は淡白なんだね。次はもっと楽しもうよ。』

 

「次はもっとなのね。笑」

 

 

 

 

 

 

 

 

『車で来てるから家まで送ろうか?』

「うん。お願いしようかな。」

 

 

「ねぇ。音楽聴いていい?」

『いいよ』

 

「〇〇ってアーティスト知ってる?しかも、ウィードと同い年のおじさん。笑」

 

『おじさんは余計だろ。笑 〇〇のことは知らないけど知り合いなの?』

 

「うん。元彼なんだ。」

 

『へぇ。』

 

 

 

 

 

僕は一生色褪せることがないであろう夜を過ごせた。

ソロストナンには夢しかない。

 

芸能人準即。